このブログでは、UnityとUnrealで同じ3Dゲームを作って比べたり、PLATEAUの都市を両エンジンで読み込んだりと、2大ゲームエンジンを何度か触ってきました。前回のBlender編に続いて、今回はUnityとUnreal Engineの「これから」を、公式ロードマップやイベント発表から調べて同じ切り口で並べてみます😊
結論から言うと、両者ははっきり違う方向を向いていました。そして、多くの人が気になる料金・ライセンスの最新動向も、あわせて整理します。
・Unrealのこれから(UE5.8で見えたUE6への道・MegaLights・Lumen高速化・Mesh Terrain)
・Unityのこれから(レンダリング統合・Web/モバイル・軽さへの回帰)
・両者の向かう方向の違いを図解
・料金・ライセンスの最新動向(Unityの料金/Unrealの5%ロイヤリティ・Fab)
・どっちがどんな人に向くかの判断材料
※この記事は調べ物のまとめです(実際に動かす検証はしていません)。内容は2026年7月時点の公式発表・報道にもとづきます。特に料金・ライセンスは変動が大きいので、契約前に必ず公式の最新情報をご確認ください。出典は記事末尾にまとめています。
2大巨頭の今の立ち位置
まず現在地から。2026年7月時点で、両エンジンはこういう状況です。
- Unreal Engine:最新はUE5.8(2026年6月、Unreal Fest Chicagoで発表)。そしてこれがUE5系で最後の大型アップデートとされ、開発チームは次世代のUE6へ移りつつあります
- Unity:Unity 6系(6.2・6.3)が進行中。派手な新世代というより、レンダリングの作り直しと足回りの強化が中心です
つまり、Unrealは「次の大きな山(UE6)」へ動き出し、Unityは「今の土台を作り直して固める」局面。この違いが、そのまま両者の性格の違いになっています。
Unreal:UE5.8を最後に、UE6へ
Unrealは、「品質と規模の頂点をさらに上げる」方向をまっすぐ進んでいます。UE5.8で来た(そしてUE6へ引き継がれる)注目機能を、うれしさとセットで。
| 機能 | 何が嬉しいか |
|---|---|
| MegaLights が本番品質へ | 大量のライトを現実的な負荷で扱える機能が実用段階に。現行機で60fpsを狙える |
| Lumen Medium(新品質) | 高品質版の約2倍速い光の表現。PS5で60fps、Switch 2でも60fpsを狙う。「綺麗な光を軽い機械でも」 |
| Mesh Terrain(実験的) | 従来の高さマップ地形に代わる新しい地形。洞窟・オーバーハング・崖が作れ、水やNaniteとも統合 |
| 手続き的な植生エディタ | 生物学的に正しい草木をゼロから育てて生成。夜景づくりのような環境制作が楽に |
| MetaHumanの群衆 | MetaHumanを群衆として大量配置。モバイルで数百体、高性能機で数千体 |
ひとつ前のUE5.7(2025年11月)では、Nanite Foliage(草木のような複雑な形も、GPUを溶かさず超高密度で描く)が話題でした。流れとしては一貫していて、「重かった表現を、実機で回る形に落とし込む」のがUnrealの今のテーマです。そしてその先のUE6は、これらをさらに最適化する土台として準備が進んでいます。
Unity:レンダリング統合と、軽さへの回帰
いっぽうUnityは、派手な新機能より「作り直し」が主題です。いちばん大きいのがレンダリングの統合。
Unityにはこれまで、URPとHDRPという2つの描画パイプラインがありました(軽さのURP/高品質のHDRP)。この記事でも比較しましたが、「どっちを選ぶか」で最初に悩むのがUnityのわかりにくさでした。ここを1つに寄せていく——これがUnityの向かう先です。
- 統合レンダリング:URPとHDRPの分断を減らし、選択で悩まない方向へ。将来的に「軽くも重くもできる1つの道」を目指す
- Web/モバイルの強化:軽い環境でよく動くことに引き続き注力。前回のFlutter記事でも触れたWeb配信の流れとも重なります
- 安定性・足回り:Unity 6をLTS(長期サポート)の土台として、壊れにくく整える
つまりUnityは、「軽さとマルチプラットフォーム展開のしやすさ」という自分の強みを、もっと磨いて広げる方向です。頂点の高さで勝負するUnrealとは、はっきり別の道を選んでいます。
向かう方向の違い(図解)
ここまでを1枚にまとめると、両者の性格の違いがよく見えます。
料金・ライセンスはどうなっている?
技術と同じくらい気になるのがお金の話ですよね。ここは特に変動が大きいので、2026年7月時点の情報として整理します(契約前は必ず公式で最新をご確認ください)。
| Unity | Unreal Engine | |
|---|---|---|
| 無料で始められる | ◯(年間売上/資金 20万ドル未満は Personal 無料) | ◯(ゲーム開発は基本無料) |
| 課金の形 | 席(シート)ごとの年額 | ゲームは売上ロイヤリティ/非ゲームはシート |
| 具体的な額(目安) | Unity Pro 約$2,310/席/年(2026年1月改定) | ゲーム:生涯売上100万ドル超で5%/非ゲーム:約$1,850/席/年 |
| 素材マーケット | Asset Store | Fab(Quixel・Sketchfab・ArtStation等を統合) |
「席(シート)」ってなに?
ソフトのライセンスを「同時に使う人の人数ぶん」買う数え方です。英語の seat(座席) が由来で、使う人1人につき1席というイメージ。映画館の座席と同じで、その席を使う人数ぶんだけ確保します。たとえば 約$2,310/席/年 のUnity Proを3人チームで使うなら、3席ぶん(約$6,930/年)が必要になります。Unityはこの「人数ぶんの定額(席課金)」、Unrealのゲーム開発は「売れてから売上の一部を払う(ロイヤリティ)」——ここが両者の課金の考え方の大きな違いです。
お金のかかり方の形が違うのがポイントです。Unityは「人数ぶんの定額」、Unrealのゲーム開発は「売れたら歩合」。だいたいの目安として、売上が大きくなるほどUnity(定額)が有利になり、小規模〜中規模ではUnreal(売れなければ0円)が気楽という関係です。報道では、チーム5人規模なら生涯売上おおよそ2,300万ドルあたりが損益の分かれ目、とされていました。
Unreal側のFabにも触れておきます。以前バラバラだった素材マーケット(Unreal Marketplace・Quixel Megascans・Sketchfab・ArtStation Marketplace)がFabに一本化されました。素材探しの入り口が1つになったのは、地味に大きい変化です。
Unityの「あの騒動」のその後
Unityと聞くと、2023年の「Runtime Fee(ランタイム料金)騒動」を思い出す方も多いはず。ゲームがインストールされた回数で課金するという案が発表され、開発者から強い反発を受けた一件です。
これはその後、撤回されました。Unityは従来のシート(席)ごとのサブスクに戻し、インストール数ベースの課金はなくなっています。上の表の「席ごとの年額」がその現在形です。料金そのものは2026年1月に改定(値上げ)されましたが、あの不評だった仕組みは無くなった、というのが結論です。
お金の話はツール選びの土台になります。過去に不信感を持った人もいると思いますが、「今どうなっているか」を最新の事実で確認するのが大事ですね。
結局、どっちを選ぶ?
「これから」を踏まえて、選び方を整理します。もちろん正解は目的しだいですが、方向性の違いはヒントになります。
| こういう人・目的なら | 向いていそう |
|---|---|
| 映像品質・大規模な世界を最優先(ハイエンドPC/コンソール) | Unreal Engine |
| スマホ・Web・軽い動作で幅広く配信したい | Unity |
| 実写級のデジタルヒューマンや群衆を扱いたい | Unreal Engine |
| 売れるまでコストを抑えたい個人・小規模 | Unreal(売上100万ドルまで0円) |
| 大人数チームで売上が大きい見込み | Unity(定額のほうが有利になりやすい) |
| 情報量・日本語の学習素材の多さ重視 | Unity(国内シェアと資料が厚い) |
「これから」の観点で言えば、Unrealは頂点をさらに上げにいくので、最先端の映像表現を追う人には期待が大きい。Unityは足場を固め直しているので、迷わず軽く広く出したい人には使いやすくなっていく——という見立てです。以前の実制作での比較とあわせて読むと、より腹落ちすると思います😊
まとめ
ゲームエンジンの2大巨頭の「これから」を、同じ切り口で並べてみました。
- UnrealはUE5.8を最後にUE6へ。MegaLights・Lumen高速化・Mesh Terrain・群衆で品質と規模の頂点を押し上げる
- Unityはレンダリング統合とWeb/モバイル強化で、軽さとマルチ展開の強みを磨き直す
- 料金は形が違う:Unityは席ごとの定額、Unrealのゲームは売上100万ドル超で5%。規模で有利不利が変わる
- UnityのRuntime Feeは撤回済み。今はシート制に戻っている
- 素材マーケットはUnrealがFabに一本化
同じ「ゲームエンジン」でも、頂点を上げるUnrealとすそ野を広げるUnityで、はっきり性格が分かれていました。どちらが上という話ではなく、自分の作りたいものと規模に合うほうを選ぶのが正解ですね。個人的には、UE6の最適化と、Unityの統合レンダリングが実際どう仕上がるのか、今後も追いかけていきたいところです👍
それでは、今回はここまで。最後までありがとうございました😊
【主な参考】Unreal Engine 公式ニュース/State of Unreal 2026(Unreal Fest Chicago)関連報道(UE5.8・MegaLights・Lumen・Mesh Terrain)/Unreal Engine ライセンスページ・Fab/Unity 公式ロードマップ・料金ページ/Runtime Fee 撤回の報道(いずれも2026年7月時点で確認)。料金・ライセンスは変更されることがあります。