【2026-08-16 加筆】
この記事はMCPという仕組みの説明です。その後自分のローカルAIエージェントに実際にMCPを繋いだ回で動かしてみたところ、概念を理解していても引っかかる場所がいくつかありました。仕組みの図と、実際のつまずきを章として足しています。

MCPってそもそも何?

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最近「MCP」という言葉をよく見かけるようになりました。AIツールを使っている方なら一度は目にしたことがあるかもしれません。でも「なんか難しそう…」と感じて読み飛ばしてしまった方も多いのではないでしょうか。

MCP とは Model Context Protocol の略で、Anthropic(Claude の開発元)が策定したオープンな通信規格です。一言でいうと、AIツールが外部のシステムやデータと安全に会話するための「共通言語」です。

たとえば人間でいえば、どの会社の人とも英語で話せれば仕事がスムーズに進みますよね。それと同じように、MCP という規格があることで、AIがどんなツールやサービスとも統一した方法でやり取りできるようになります。

MCPが生まれた背景

MCP が登場する前、AI ツールを外部サービスと連携させようとすると、それぞれのツールごとに独自の実装が必要でした。たとえば「Slack を読み込む連携」「GitHub のコードを見る連携」をそれぞれ作ろうとすると、毎回まったく別の仕組みを書かなければいけなかったのです。

これはまるで家電製品のコンセント形状が国ごとにバラバラで、海外に行くたびに変換プラグを用意しなければならないのと似ています。MCP はその変換プラグをなくし、世界共通のコンセントにしようというアイデアです。

Anthropic は 2024 年 11 月に MCP をオープンソースとして公開し、今では GitHub・Slack・Google Drive など多くのサービスが MCP に対応しはじめています。

MCP登場前 MCP登場後
サービスごとに独自の連携実装が必要 MCP対応だけで多様なサービスと連携可能
新しいツールを追加するたびに大きな工数 MCPサーバーを繋ぐだけで機能追加
AI側とサービス側の両方を改修する必要 規格が統一されているので片側だけ対応でOK

MCPの仕組みをざっくり理解する

MCP の構成は大きく 3 つの要素で成り立っています。

  • MCPホスト: AI ツール本体(Claude Code、Claude Desktop など)
  • MCPクライアント: ホストの中にある、MCP サーバーと通信する部分
  • MCPサーバー: 外部サービスやファイルシステムなどに橋渡しをするプログラム

イメージとしては、こんな感じです。

Claude Code(ホスト)
  └─ MCPクライアント
       ├─ filesystem サーバー  → ローカルのファイルを読み書き
       ├─ github サーバー      → GitHubのリポジトリ操作
       └─ slack サーバー       → Slackのメッセージ送受信

AI が「このファイルを見せて」と言ったとき、MCP クライアントが対応するサーバーに問い合わせ、結果を受け取って AI に返します。このやり取りが標準化されているので、新しいサービスに対応する MCP サーバーを作れば、すぐに AI から使えるようになります。

MCPを使うとAIがどう便利になる?具体例で見る

ここが一番気になるところですよね。MCP があると、AI ツールは具体的にどんなことができるようになるのでしょうか。いくつか例を挙げてみます😊

例1:ファイルシステム連携

MCP の filesystem サーバーを設定すると、AI がローカルのファイルを直接読み書きできるようになります。「このフォルダにある Python ファイルをすべてレビューして」と伝えるだけで、AI が実際にファイルを開いてチェックしてくれます。

例2:GitHub連携

GitHub の MCP サーバーを使うと、「今週マージされた PR の一覧を教えて」「このイシューに対するコードを書いてコミットして」といった操作が自然言語でできるようになります。ブラウザを開かずに AI との会話だけでリポジトリ操作が完結します。

例3:データベース連携

データベースの MCP サーバーを繋ぐと、「先月の売上上位 10 件を見せて」といった問い合わせを、AI が SQL を書いて実行し、結果を整形して返してくれます。SQL を知らない人でも自然言語でデータを扱えるようになります。

Claude CodeでのMCP活用例

私が普段使っている Claude Code でも、MCP を設定することで大幅に作業効率が上がりました。設定方法はとてもシンプルで、.mcp.json というファイルを作るか、コマンドで追加するだけです。

たとえば filesystem サーバーを追加するには次のコマンドを実行します。

# Claude Code に filesystem MCPサーバーを追加する
claude mcp add filesystem -- npx -y @modelcontextprotocol/server-filesystem /path/to/dir

設定後、Claude Code のチャットで「/path/to/your/project/ フォルダの構成を教えて」と伝えると、実際にファイルを読んで構造を説明してくれます。コードを書くときも「このファイルを参照しながら修正して」と言えば、AI がファイルを自分で開いて作業してくれるので、いちいちコードをコピー&ペーストする手間がなくなりました。

また、MCP サーバーの状態は以下のコマンドで確認できます。

# 設定済みのMCPサーバー一覧を確認
claude mcp list
MCPサーバー名 できること よく使う場面
filesystem ローカルファイルの読み書き コードレビュー・一括修正
github GitHub操作(PR・Issue・コミット) コードレビュー支援・Issue管理
fetch WebページのHTMLを取得 公式ドキュメントの参照
sqlite SQLiteデータベースの操作 データ分析・集計

【追記】やり取りの流れを図で見る

本文では「AIの手足を増やす仕組み」と書きました。実際にどんな順番でやり取りが起きるのかを、1枚にしておきます。

AIモデル 何を使うか決める クライアント 仲立ちをする MCPサーバ 道具を持っている ①道具の一覧は? ②これがあります ③一覧を渡す ④これを使いたい ⑤実行して結果を返す

ポイントは①と②です。AIは「どんな道具があるか」を、あらかじめ埋め込まれているのではなくその場でサーバに聞いて知ります。だから、サーバ側に道具を足すだけで、AI側を作り直さずに能力が増えます。これがMCPのいちばんの利点です。

【その後】実際に繋いでみて、引っかかったところ

仕組みを理解していても、動かすと別の問題が出ます。実際に自分のAIエージェントへMCPを繋いだときに踏んだものを挙げます。

★道具の名前がぶつかる

これがいちばん厄介でした。エージェントにはもともと read_file という内蔵の道具がありました。そこへ、ファイルを扱うMCPサーバを繋いだところ——そのサーバも read_file を持っていました。

同じ名前の道具が2つある状態になり、AIが呼んだときにどちらが動くのか決まらなくなります。しかもエラーにはならず、意図しないほうが動くので、原因にたどり着くまで時間がかかりました。

解決は、名前に出どころを付けることでした。

内蔵の道具        read_file
MCPサーバの道具    mcp__demo__read_file
                  ^^^^  ^^^^  ^^^^^^^^^
                  印    サーバ名  道具名

こうすると、どのサーバの道具なのかが名前だけで分かり、いくつサーバを繋いでもぶつかりません。複数のMCPサーバを使うつもりなら、最初からこの形にしておくべきでした。

Windowsで、サーバが無反応になる

サーバの起動コマンドを python3 と書いていたところ、Windowsだけ無反応になりました。原因は、Windowsに python3.exe という名前の0バイトのダミーファイルが置かれていたことです。これはストアへの案内を出すだけのもので、Pythonの本体ではありません。

やっかいなのは、コマンドを探す仕組みがこれを「見つかった」と判断してしまうことです。存在チェックだけでは通り抜けてしまうため、ファイルの大きさが0でないかまで見る必要がありました。

【追記】用語集

用語平たく言うとなぜそれが効くのか
MCPAIから外部の道具を呼ぶための共通の決まりごとサーバを足すだけで能力が増やせる
MCPサーバ道具を持っている側。ファイル操作、検索、社内システムなど1つの道具を作れば、対応するAIすべてから使える
MCPクライアントAIとサーバの仲立ちをする側道具の一覧を集めてAIに渡し、呼ばれたら実行する
道具(ツール)サーバが公開している1つ1つの機能★名前がぶつかると、黙って別のほうが動く
stdio / SSEサーバとの通信のしかた(標準入出力/HTTP)手元で動かすなら stdio が簡単

まとめ:MCPはAIの「手足」を増やす仕組み

MCP を一言でまとめると、AI に手足を与えるための共通規格です。今まで AI はチャットの画面の中だけで完結していましたが、MCP によってファイル・データベース・Web・外部サービスなど「外の世界」と繋がれるようになりました。

エンジニアでなくても「AI にもっとできることを増やしたい」と思ったとき、MCP 対応のサーバーを追加するだけでどんどん能力が拡張されていきます。すでに公式・サードパーティ合わせて数百種類の MCP サーバーが公開されていて、今後も増え続けることが予想されます。

Claude Code を使っている方はぜひ filesystem サーバーだけでも試してみてください。作業効率がガラッと変わりますよ😊

それでは、今回はここまで。ありがとうございました😊